保険治療とは
「保険適用に差が出る事情」(ちょっと裏話)
歯茎の色をしたプラスチックの上に人工の歯をのせたもの。
簡単にいうとこれが入れ歯です。
最たるものが総入れ歯、一本でも歯が残っていると部分入れ歯と呼びます。まず知っておかれた方がいいと思うのは、ほとんどの歯科医師は自分の口に入れ歯を入れていません。だからどれほど快適か不快かを自分の経験としては知りません。従って患者さんの入れ歯を設計する際に快適さよりも丈夫さを優先してしまう傾向が強くなります。
全国どこの歯科医院にかかられて健康保険を使って入れ歯を作られても、6か月間は健康保険を使って同部位の入れ歯を作ることはできません。
他の歯科医院に転医してもです。
その間に修理不能な状態まで大破した場合、作製した歯科医院が「再診料」だけで新製することになります。
仮に高額な研修に出向いて高度な技術を手に入れても、一等地で経費のかさむ医院運営をしていたら、驚くほど薄利である健康保険の入れ歯だけを作っていたのでは、言葉の綾ではなく「間違いなく倒産します」。
「保険の入れ歯では噛めませんよ」
「保険でつくれるのはここまでですよ」と言った言葉で自費治療を勧められたが、何かいい方法はないかという相談で当院に来られる患者様が時々おられます。
「何故当院を選ばれました?僕も同じことを言うかもしれませんよ」というと、「○○さんから、今まで保険ではこういうものしか無理だと言われながら、何軒も歯医者を回って入れ歯を作りかえては辛抱してきたが、ここで画期的に違うものを入れてもらえたと聞きました。」という答えでした。
自分の口に入れるならこんな構造のものを入れたくないという視点で設計しさえすれば、健康保険を使って、作製するものでもかなり違う装着感になることは事実のようです。
ちなみに当院で保険外の入れ歯を作られる方は年に十人いらっしゃいません。
いずれも患者様の側から希望された場合のみです。
最初に入れ歯の構造について触れましたが、
「別の言い方をすると」
入れ歯とは、材料代、技工料、人件費、家賃・水道光熱費、リース料、スリッパ減菌器、待合室のミネラルウォーター給水器、その他諸々の費用により構成されています。したがって全国均一の額に定められた健康保険適用の入れ歯ばかりを作っていたら、医療経営や医業の継承が立ち行かなくなるという理屈はお分かりいただけたでしょうか。当院はスタッフも最小限、内装もすすけているし、診療台も開業したときのままです。ただ、こうやっていれば、「保険でここまで噛めるようになった。」と歓んでいただける治療を続けていくことが可能になるわけです。
ちなみに平成5年1月から同じ車に乗っています。